萩姫の湯
磐梯熱海に伝わる、萩姫伝説。
ーーー室町・南北朝時代の頃。
公家の娘で、賢く、大変美しいと評判の高い萩姫という姫がいました。
そんな姫があるとき不治の病にかかり、
『都から東北方面に行き、500本目の川岸に霊泉がある』というお告げを受けます。
これに従い、萩姫は侍女・雪枝と2人で都から川を数えて東北へと下ります。
女2人の果てしない旅、さぞ過酷なものだったことでしょう。
越後を越え、ようやく会津に入り、磐梯山、猪苗代湖を通り過ぎて
499番目の川を渡る頃には、2人とも長い旅路に疲れも忘れるほどでした。
やがて、一筋の川が流れ、ほのぼのと白い湯気が漂うのが目に映ります。
これが500番目の川。
ここで湯治をし、萩姫は病もすっかり良くなり、以前にも増して美しい女性となりました ーーー
温泉街を流れる「五百川」は、この伝説が由来となっております。